ScanSnap S1500とiX500の比較
本の電子書籍化をするのに注目を集めた富士通の「ScanSnap S1500」シリーズ。この機種の後継機「ScanSnap iX500」が2012年11月30日に発売されることになりました。
これにより、従来の「ScanSnap S1500」シリーズの生産は終了となります。
ここでは旧型「ScanSnap S1500」と新型「ScanSnap iX500」とを比較し、どのように変化があったのかを気になる点を中心に取り上げます。
※これらの機種の新型が発売されていますので、新しい機種情報をご確認ください。
価格を比較
旧型の価格は「ScanSnap S1500」と新型の「ScanSnap iX500」の価格は両方ともオープン価格のため、本来であれば比較できません。
オフィシャル通販サイトでは旧型の価格は「ScanSnap S1500」と新型の「ScanSnap iX500」の販売価格は同じです。
そのため、ここではamazon.co.jpの価格で見ていきます。
2012年11月13日現在、以下のようになっています。ついでにCanonの同レベルの商品「DR-C130」の価格も紹介しておきます。
- ScanSnap S1500:35800円
- ScanSnap iX500:52665円
- Canon ドキュメントスキャナ DR-C130:61688円
価格差は新型と旧型で「16865円」とかなりの差が付いています。
まだ販売開始前でもあるため、今後、発売から時間が経過すると価格も下がってくると思われます。今後購入を検討される方は、この旧型機の価格「35800円」を一つの目安に検討してみましょう。旧型の在庫が残っている場合は、あえて旧型を買うのも一つの手です。
ただ、性能の進化もありますので、総合的に判断し、購入を決めましょう。
スキャン速度を比較
スキャン速度は、特に多くの本などをスキャンする際に重要な要素になります。時は金なり、という言葉もあります。
そのスキャン速度が新型と旧型とでどう変化したのか取り上げます。
スキャン速度に関する事前知識として次の点を把握しておきましょう。
- カラー、白黒などの条件でスキャン速度が変化
- 解像度(300dpi、600dpiなど)によってスキャン速度が変化
カラーやグレー、白黒と主に3種類のスキャンが可能ですが、カラーの方がスキャン速度が遅く、逆に白黒の方がスキャン速度が速くなります。
解像度は、より奇麗にスキャンできるかどうかです。解像度が低いと、文字が潰れて見えたりします。数字が大きい方が解像度が高くなります。
以上を元に、旧型と新型の仕様のデータを確認すると次のようになります。1分間での仕様上でのスキャン可能枚数です。Canonの同レベルの商品も合わせて載せておきます。未掲載部分はカタログデータに無いためです。
ScanSnap iX500(新型) | ScanSnap S1500(旧型) | Canon DR-C130 | |
カラー150dpi | 25枚 | 20枚 | |
カラー200dpi | 25枚 | 20枚 | 30枚 |
カラー300dpi | 25枚 | 20枚 | 15枚 |
カラー600dpi | 7枚 | 5枚 | 4枚 |
グレー150dpi | 25枚 | 20枚 | |
グレー200dpi | 25枚 | 20枚 | 30枚 |
グレー300dpi | 25枚 | 20枚 | 30枚 |
グレー600dpi | 7枚 | 5枚 | 16枚 |
白黒300dpi | 25枚 | 20枚 | 30枚 |
白黒400dpi | 25枚 | 20枚 | |
白黒600dpi | 25枚 | 20枚 | 16枚 |
白黒1200dpi | 7枚 | 5枚 |
こうして数字だけ見ると、一見「ScanSnap iX500」の方が良いように見えます。
ただ、「Canon ドキュメントスキャナ DR-C130」は白黒やグレーでのスキャン速度が一部で早く、文字中心の書籍や書類などであれば、こちらの方が良いとなります。
また、書かれている文字を読み取り、データ化する際(OCR情報)に、Canonの方はスキャンと同時に文字を読み取ってくれるものの、ScanSnapは画像データをパソコンに入れた後にOCR情報を取るため、総合的なスキャン時間が長くなる傾向があります。(それぞれ旧型「ScanSnap S1500」「imageFORMULA DR-2510C」で確認。)
※上記は、「ScanSnap iX500」で改善されました。
この点から、当サイトでは次のように結論づけたいと思います。
- 文字中心の書籍をスキャンし、OCR情報を付けたいことが多い場合「Canon ドキュメントスキャナ DR-C130」
- 漫画、イラスト集などをスキャンするのが多い場合「ScanSnap iX500」
なお、新型になって状況が変わっている可能性もあります。この辺りは発売後のレビューまでお待ちください。(OCRの改善について上記に「※」で追記してあります。)
※OCRとは、スキャンする際に書いてある文字を読み取り、テキストデータとして保存する機能です。そのOCR情報をテキスト検索して目的の情報を得るなどの活用方法があります。書類、及び書籍など後々調べる際に便利です。ただし、読み込みエラーも時折ありますので、確実とは言えません。
その他の違い
旧型「ScanSnap S1500」と新型「ScanSnap iX500」の違いは他にもあります。ですが、上述した価格やスキャン速度以外の違いはあまり大きな影響を及ぼしません。
強いて言うのであれば、ソフト面での変化がありますが、普通にスキャンし、画像をパソコン上でデータ保存する分には大きな変化もありません。
当サイトではあくまで書籍や漫画などをスキャンするための情報を伝えるサイトです。仕事でモバイル端末に保存したりといった使い方の変化は重要視していないため、この辺りは各自の使い道に応じて重要度を判断していきましょう。